(研究室年報「Lingua」2015の巻頭言から)
助教としてたくさんの学生を育ててもらっていたKevin Duh君が10月に米国 Johns Hopkins大学Human Language Technology Center of Excellenceの准教授相当のResearch Scientistとして異動することになりました.研究室としては大きな損失でした.研究室にはたった3年半の在籍ということになり,ショックを受けた学生も少なくなかったと思います.研究室メンバーの若くしての昇進は大いに喜びたいと思います.今後の益々の活躍を祈ります.Kevin君の空いたポジションには,4月から能地宏さんを新しい助教として迎えることになっています.
新年度の学生としては,博士前期課程には,春に10名,秋に1名の留学生を迎えました.博士後期課程には,春に内部進学者2名と外部入学者2名を迎えました.決して少ない数ではありませんが,近年では落ち着いた新入生の数となりました.
松本は,昨年度から始まった学内融合研究のテーマとして,学内のバイオサイエンス研究科と物質創成科学研究科の研究室と協働して,科学技術論文の解析 を考えてきましたが,いくつかのよい機会に恵まれて外部の様々な方々と話す 機会を得,協力してJSTのCRESTに申請したところ,幸いにも採択され,「構造理解に基づく大規模文献情報からの知識発見」というタイトルで5年半のプロジェクトを開始することになりました.当面はこの研究に全力で取り組みたいと考えています.科学技術論文の解析は様々な技術が必要な総合的なテーマになりますので,多くの方々の力添えをいただきたく,この分野に関心のある方にはぜひとも協力を得たいと考えています.また,進藤君が主たる共同研究者として参加した別のCREST研究「社会脳科学と自然言語処理による社会的態度とストレスの予測」(代表:NICT春野雅彦氏)も同時期に採択され,研究室としては,2つのCREST研究に参画することになりました.
2015年の研究室の活動費については,上記の2つのCREST研究以外に,国立大学法人運営費交付金,奈良先端大(多元ビッグデータ解析に基づく知の創出研究拠点事業),文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(A)3件,基盤研究(B)1件,若手研究(B)2件,特別研究員奨励費1件),情報通信研究機構(NiCT),国立国語研究所,国立情報学研究所,人工知能研究振興財団から,様々な形での支援をいただきました.関係者各位に深く感謝します.
最後に,本年報の編集作業に当たってくれた学生諸氏にこの場を借りて感謝し ます.